犬の嗅覚ってどんなもの?遊びと散歩がもっと楽しくなるアドバイス

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にわドッグトレーナー

愛犬:シェットランド・シープドック(シェルティー)。 我が家の愛犬が何を思っているのかについて学びいと思い、ドッグトレーナー学校に通いドッグトレーナーとしての基礎を学ぶ。 その後動物愛護団体に所属し、保護犬の新しい家族を探す仕事に携わり、トレーニングは犬によって、飼い主によって、多様であることを学ぶ。 これらの経験と知識をもとに、愛犬と飼い主が相互に理解し、より楽しく暮らすきっかけとなるような記事の執筆に努める。

はじめに

自分の愛犬について考える時、つい人間の感覚に合わせて考えていませんか?

しかし、人が見ている世界と犬が見ている世界が同じとは限りません。

例えば今回紹介する「犬の嗅覚のはなし」を知ると、
今までの愛犬の行動に少し違った意味を見いだせるかもしれません。

一緒に「犬の世界」をのぞいて見ましょう。

犬の嗅覚ってどのくらい重要?


犬が嗅覚に優れている動物だということは、皆さんなんとなくご存知のことかと思います。

日常生活でその鋭さが際立つのは・・・

例えばゴミ箱を漁る愛犬の姿を目にした時でしょうか。

でもこんな時、頭に血がのぼる方が先で「おお、犬の嗅覚はさすがだな!」

なんて感嘆している余裕はないですね。

さて、話が外れましたが、嗅覚は犬にとって重要な感覚で、
人が目からの情報を一番信用するように、犬は匂いからの情報を一番に信用します。

犬は見たいもの(探しているもの)がある場合、まず匂いを辿り、
いよいよそのものが近づき至近距離になると、はじめて視覚によってそのものを捉えます。

つまり、犬は目で世界を見ているのではなく、漂う様々な匂いで世界を見ているのです。

私たちがこの感覚を再現しようと思うと、目を瞑り、匂いだけを感じて歩くことになりますが、実際嗅細胞の数が桁違いなのです。

すぐに再現することは難しいでしょう。

にわドッグトレーナーのミニコラム

ひとつ、犬の嗅覚の鋭さの例え話を紹介します。

汗の成分の酪酸(らくさん)の匂いに対する人間の感度と犬の感度の違いを紹介します。

人は酪酸の匂いには比較的敏感で、1グラムの酪酸を10階建ビルと同じ容量の空気に蒸発させても、かろうじて感じることができます。

一方、犬は同じ1グラムの酪酸を350平方メートルで高さ90メートルの空間に蒸発させても感じることができます。

この広さはアメリカのフィラデルフィアとほぼ同じ広さであり、フィラデルフィアには約150万人が住んでおり、その全員が汗をかくわけですから、犬にとってこの大都市が一体どんな匂いがするのか・・・

犬種や性別による嗅覚の差

犬の中でも特に優れた嗅覚を持っているの犬種として
「ビーグル」「バセット・ハウンド」「ブラッド・ハウンド」などが挙げあれます。

ビーグルは麻薬探知犬として活躍している姿を見聞きしたことが
ある方もいるかもしれません。

これらの犬種は、他の犬同様に匂いを検知し嗅ぎ分ける能力の他に、
匂いを追い、跡を辿り、探索することに情熱を燃やすよう育てられてきました。

また、匂いを嗅ぎ分ける嗅細胞の数も犬の鼻全体の大きさによって違いがあります。

長くて幅の広い鼻を持つ犬なら、その数も多くなり、
パグやペキニーズのように鼻が小さくて平らな犬は嗅細胞の数はそれほど多くないのです。

例えば、ダックスフントの嗅細胞が約1億2500万個であるのに対し、
ジャーマンシェパードは2億2500万個であるという研究結果があります。

ちなみに人間の嗅細胞は500万個しかないと言われているため、
この数字だけで犬の嗅覚が人間の何十倍も優れていることは明確です。

実際、我が家の愛犬シェルティーは「鶏肉」と「ジャガイモ」が大好物で、
これらを飼い主の夕食のために茹でようものなら、

まだ私が「鶏肉」「ジャガイモ」の匂いを感じるずっと前から、
私のすぐ足もとでおすわりしてみせたり、
鼻をあげて空気中をくんかくんか匂いを嗅いだり・・・
気が狂ったような行動をとるのもわかる気がします。

また、性別の差でいうと、発情中のメスを探すという意味で、
メスよりもオスの方が匂いへの関心と集中度が高いといわれています。

オス犬を散歩させたことがある人の中には、
匂いばかり嗅いで、全然先に進めない!

という経験がある方もいるかもしれません。

犬の嗅覚を「楽しい散歩」に応用する

この犬の鋭い嗅覚を使って、
彼らの散歩を今よりもっと楽しいものにすることができます。

散歩というと「歩くこと」がメインだと思うでしょう。

人間は景色を見ながら散歩するので、
ついいつも通っている道はさっさと歩いてしまうかもしれませんが、
犬にとっては匂いの空間を歩いています。

いつもと同じ道でも、漂う匂いは毎日違い、
草むらにはいつもと違う犬のおしっこの匂いが残っているかもしれません。

もちろん、いつもと同じ道でも構いませんが、
できれば毎日違うルートで散歩をして、
より様々な匂いを嗅がせてあげることで、愛犬も散歩が楽しくなるはずです。

また、あまり遠くへ散歩に行けないときも、
くねくねと沢山角を曲がったり、
匂いが多そうな場所(できればコンクリートより土がむき出しになっている場所、公園など)
で集中的に匂いを嗅がせてあげると良いでしょう。

中には散歩中の匂い嗅ぎに悩んでいる方もいるかもしれません。

草むらや電柱で他の犬のおしっこ跡の匂いを嗅いでいると、
つい引っ張ってその場を離れたくなってしまいますね。

しかし、犬はおしっこに含まれるメッセージを読み取りたいのです。

おしっこには「私はこんな大きさのこんな犬です。」
など、メッセージが込められています。

そのため、特にオス犬は好みのメス犬のおしっこ跡をみつけたら、
鼻が地面にくっつくくらいに近づいて匂いを嗅ぐこともあるでしょう。

これは私たちが広告や掲示板を読む行動と同じです。

ただし、他の犬のおしっこ跡のメッセージをみつけると、
ついその上に「お返事」としておしっこをかけたくなるのも犬の性。

他の人の家の玄関先や壁におしっこ跡を残すことは大変失礼なことなので、
「匂い嗅ぎをしていい場所」を決めてあげると、
飼い主も愛犬も楽しく散歩できるのではないでしょうか。

犬の嗅覚を「遊び」に応用する

犬と遊ぶとなると、思い切り走ったり、おもちゃを引っ張りあったり、
または投げたボールを追いかけさせるなど、
体を動かすものが思い浮かびます。

しかし、実は匂いを嗅ぐことで脳を働かせることができ、
体を動かすのと同じくらいの疲労感・充足感を感じさせることができます。

具体的にいうと、簡単には取り出せない容器に大好きなおやつを少し入れて、
容器ごと愛犬に渡します。

愛犬は匂いで箱の中に大好きなものが入っているのがわかるので、
あの手この手で容器からおやつを出そうとします。

部屋の中で伏せの姿勢のまま鼻をくんくん言わせながら、
前足や口を使って一生懸命に箱に向き合っている姿が目に浮かびませんか?

こんな姿勢のままでも、鼻を十分に使って脳が活性化し、
最後におやつを得るという達成感を味わうことで、
愛犬はとても満足した顔をしているはずです。

もっと簡単なのは、飼い主が片方の手だけにおやつを持ち、
「どっちだ?」と当てさせるものです。

入っている方の手に前足や鼻をつけたら、
手を開いておやつをあげる。

これでも立派な「遊び」です。

雨の日で外出が少なくなる日や、
お留守番が苦手な愛犬がいる方は是非一度試して見てください。

我が家では、掃除機をかけるとキャンキャンワンワン大騒ぎになってしまいます。

そのため、あらかじめ、何箇所か穴を開けた空き箱を用意し、
その中に好物を入れ、掃除機をかける前にその箱を与えています。

なるべく取り出すまで時間がかかるようにすることで、
掃除機をかけても家の中が静かで飼い主も幸せ、
大嫌いな掃除機と対峙しなくて済むので愛犬も幸せ。

こんな使い方もできるのでおすすめです。

犬の嗅覚ってどんなもの?遊びと散歩がもっと楽しくなるアドバイスまとめ

普段近くに居すぎて自分の妹のように感じる愛犬達ですが、
よくよく考えてみれば体の作りも何もかも違うのです。

いつも振り返ればそこにいて、目が合えば尻尾をぱたぱた振り、
近づいてペロリと舐めてくれる愛くるしい存在。

そんな彼女たちには一体どんな風にこの世界が見えているのか・・・

そんな私の疑問から「嗅覚」について書かせていただきました。

光ではなく匂いで捉える世界。同じ空間にいながら、
きっと全然違うものを感じているんだなと、
思わず目を閉じながら私には見えない世界に想いを馳せます。

忙しい毎日の中で、愛犬との散歩や遊びの時間など、
ふと愛犬の嗅覚に寄り添って歩いてみたり、
遊んでみたりすることで、
愛犬との関係がより良くなればいいなと思います。

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